ケイカ　-桂花-
ぼんやりとしたオレンジの光が宮崎を照らし、長いまつ毛の影を顔に落とした。

白い肌にくっきりと浮かんだその影が僅かに上下している。

「桂？」

その声で無意識に見つめていた事に気付いた。

「ん？」

宮崎の目の中に私がいる。

この目が好きだ。

照れた様に目を伏せるのもかわいいけれど、私を真っ直ぐ見る滑らかで柔らかな手触りの目がたまらなく好きだ。

マミにもその他の女の子にも見せない、私だけに向ける目。

その顔に、その頬に、触れたい衝動に駆られる。

瞳の中の私が少しずつ大きくなっている。

遠慮がちに、だけど熱を持った宮崎の手が私の両肩に添えられた。

宮崎の目の中で大きくなる私を見つめる私。

私が今見詰め合っているのは、宮崎か私かどっちなんだろう？

あー、なんだかこんがらがってくる。
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