ケイカ -桂花-
いつもはケイと一緒に歩く道を一人で歩いた。

まだ開店準備を始めたばかりのこのいかがわしい街は人もまばらだった。

もう見慣れたインチキ宗教軍団が前から歩いて来る。

Dはっ?

屋上でのDの顔が瞬時に浮かび、急いで確認したがいなかった。

ホッとした。

お店で働いた帰り道、この辺りで度々見かけていた。

そこにDがいることもあったし、いないこともあった。

こんな時間からいるんだ。

しかし、ご苦労様だな、おそろいの服で、おそろいの微笑で。

あんな事をさせてしまう「洗脳」、ってどんなんだろう?想像もつかない。

ふとツインテールの子に目がいった。


マミ、だった。
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