ケイカ -桂花-
繋がらないと分かっていても、手は勝手に電話をかけ続けた。
何回目かの『現在使われておりません』の声の途中、ガラスに影が映った。
「ケイっ!!」
振り返ると、ケイとは大きさも何もかも違った人だった。
「大将・・・」
前に迷った時1度だけ見た、ケイが「心が優しい」と言った人。
あの時は、大きな体と得体の知れない雰囲気に恐怖しか感じなかったけれど、
こうして見ると、下がった眉と悲しげな目が気の小さな人柄を表している様に見える。
この際どっちでもいい。
この辺りの『マスコット的な存在』なんだから何か知ってるかもしれない。
「大将っ、ケイは?どこ行ったか知ってる?」
「ケイ・・」
私の声を反復する様につぶやき、何かを思い出そうとしてるみたいに宙をじっと見た。
なに?
早く。
固まったままの大将を見つめた。
何回目かの『現在使われておりません』の声の途中、ガラスに影が映った。
「ケイっ!!」
振り返ると、ケイとは大きさも何もかも違った人だった。
「大将・・・」
前に迷った時1度だけ見た、ケイが「心が優しい」と言った人。
あの時は、大きな体と得体の知れない雰囲気に恐怖しか感じなかったけれど、
こうして見ると、下がった眉と悲しげな目が気の小さな人柄を表している様に見える。
この際どっちでもいい。
この辺りの『マスコット的な存在』なんだから何か知ってるかもしれない。
「大将っ、ケイは?どこ行ったか知ってる?」
「ケイ・・」
私の声を反復する様につぶやき、何かを思い出そうとしてるみたいに宙をじっと見た。
なに?
早く。
固まったままの大将を見つめた。