ケイカ -桂花-
「大将っ!!」

待ちきれず、急かす私の大声に大将の体がビクッと大きく揺れた。

「ああ、ごめん、ごめん。大声だしたりして」

泣きそうな目で伺うように見る大将に、なだめるように言った。

焦っちゃダメなんだ。

なんとか気持ちを抑えて、今度はゆっくりと小さな子供に言う様に聞いた。

「ケイ、知ってるよね?ケ、イ」

コクリと頷いた。

「どこに行ったか、知ってる?」

私の顔色を伺う大将にニッコリと微笑んだ。

「ケイ・・」

しばらく考え、頭の中から一つ一つ単語を取り出していった。

「みんな、困る。警察・・・」

警察?

聞きたい気持ちをグッとこらえて、続きを待つ。
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