ケイカ -桂花-
もしかして、私が出入りしてたから、警察が動いて、みんなが怒って、ケイは・・・追い出された?

この辺りは先生が顔をしかめる店ばかりで、警察に入られるのは困るだろう。

最初の頃、私は制服でうろうろしてた。

私のせい?

私のせいで、ケイはここにいられなくなった?

そんな・・・。

その結論にいきついた頃、大将の姿は消えていた。

「大将・・・?私のせい、なの?私のせい?私のせい・・」

地下の誰もいない小さな空間で、くり返す声だけが漂う。

すっかり日が落ちて暗くなっていた。

いつもの無駄に賑やかな人の声も私の耳には届かない。


世界中で一人ぼっちになった気がした。
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