ケイカ -桂花-
「ごめんね、忙しかった?」

「いや、そうでもない。
引越しってもっと大変かと思ってたけど、案外簡単なんだな。
俺の荷物、たった段ボール5箱だぜ?15年も生きてきてこんだけ?って感じ」

宮崎につられる様に笑いながら、その箱の中に私に関するものはきっと1つも無いと思った。


「電話、私ってなんで分かったの?」

「ああ、イタ電?」

「だからイタ電じゃないって」

「分かってる。俺携帯2つ持ってるんだ。仕事用と自分用。あの番号は桂にしか教えてないから」

それって・・・。

それって、普通、好きって言ってるのと同じだよ?

また私勘違いしちゃうよ?

私は特別だって、思っちゃうよ?
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