ケイカ -桂花-
「桂は、なんで電話くれたの?」

「あ・・、だって急に転校だなんて。みんなびっくりしてたし」

本当は話題にものぼらなかったけれど、私の衝撃をみんなのせいにした。

それがばれてるのか、宮崎は曖昧に笑って、目を伏せた。

「卒業してからのつもりだったけど、まあ、ちょっと色々あって」

「それって、あれに関係ある?」

インチキ宗教、に。

「ああ、何よりも優先される事だから」

予想通りの答えに、小さな脱力感を感じた。
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