ケイカ -桂花-
走り出したはいいが、すぐに足が止まった。

場所が分からない・・・。

あの時は、ケイに手を引っ張られて着いて行くのに精一杯だったから、周りなんてほとんど目に入ってなかった。

そんなに遠くはないはずだ。

そうだっ、ピンクと紫の看板が・・・あっちもこっちもそんなのばっかりだ。

えーと、もっと細い路地で、怪しげな感じだったな。

適当に細い道の方へ曲がってみる。

それっぽけど、なんかちがうなー。

じゃあ、こっちはっ?

・・・行き止まりだぁぁ。

はぁ、ため息をついて、踵を返すと、目の前に大きな壁が立ちはだかった。
< 51 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop