ケイカ -桂花-
ケイのお店でお茶をすすっていると気分は落ち着いた。

だけど、おもいっきり気まずい。

「バイトしてやってもいいけど」くらいに言って、「ホントに?ありがとう、助かるわ」って感謝される予定だったのに。

「ハナ、迷子の子供みたいだったよー」

なんて笑われてるし。

実際、迷子だったけど。

取り合えず話変えなきゃ。

「さっきの人って、なに?」

あ、変わってないか。

「ああ、大将?裸の大将みたいでしょ、だから大将ってみんなに呼ばれてるの。この辺のマスコット的な存在」

マスコット的?裸の大将?

確かに服装はそうだけど、全然ほのぼのしてない、めっちゃ怖いんですけど。

「頭はちょっと弱いけど、心の優しい人なのよ」

納得してない私に諭すように言った。
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