ケイカ -桂花-
「ハナ?なんで今日が忙しいって分かったのー?」

ケイの驚きの笑顔がなんだかくすぐったい。

「別に、ヒマだっただけだよ」

ツイてる、私。

「今日はお茶飲んでる余裕ないからね」

ケイの言葉通り息つくヒマも無かった。

こんなに忙しいのになんで連絡して来ないんだよ。

イラつきながらも、狭い店内を動き回るのはスポーツしてるみたいな爽快感があった。

家では絶対やらない掃除も力が入る。

「お疲れ、ハナ。はいバイト代」

白い封筒を受け取ると、お金よりももっと欲しいものをケイはくれた。

「明日も手伝ってくれない?」
< 58 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop