ケイカ -桂花-
3日後の休み時間、教室を見渡して宮崎の姿を探した。

だけど教室には、私達のグループと他に数人いるだけで、宮崎はいない。

次の授業の為、ほとんどがもう音楽室へ移動していた。

いつからあったんだろう?

私の左手には音楽の教科書、そして右手には板チョコ。

ミルクの。

週に1度しかない音楽の教科書は、みんながしてる様に机の中に置きっぱなしにしている。

今取り出したら教科書の間からチョコがストンと滑り落ちた。

宮崎に違いない。

『明日持ってくる』

ホントに、あの次の日から教科書の間にあったのかもしれない。

ホントに、持ってきたんだ。

「ハナちゃん、早くー」

Aにせかされて、急いでチョコを机に戻し、グループに加わった。

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