ケイカ -桂花-
「ハナ、なんかあった?」

「へっ?」

しまった、急に聞くから変な声出ちゃった。

ケイが変な目で見てるし。

反応は鈍いくせに、変なとこで鋭そうだしな。

「まあ、なんにも無いわけないよね。女の子なんだもん」

クスッと笑った。

「べ、別に。そっちは?なんかあった?」

何にも知られてないのに、恥ずかしくなって早口で聞いた。

「そりゃあるわよ、色々と」

「色々って?」

「ここの家賃値上げとかさ、スプレーも高くなったし、ワックスなんて金額そのままだけど量減ったんだよ?ヤな感じ」

「金ばっか」

バイト代は時給制じゃなくて、お客さんの人数に合わせての歩合制になってる。

だからそれほど負担にはなってないはずだけど、ヤバイのここ?

ちょっと心配になってくる。

「ホントだ。色っぽい話じゃないわね、ハナみたいな」
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