ケイカ -桂花-
「なんで分かったの?」

「分かるわよ、そいいう匂いがぷんぷんしてる。分っかりやすーい」

「そんなんじゃない」って言葉を載せるより前に、私の口は笑ってしまった。

爆笑じゃなくて、声の無い思い出し笑いの方。

「なになに?どんな子?カッコイイ?同じ学校の子?」

身を乗り出し、嬉々とした表情のケイは、同級生の女の子みたいだった。

「・・・同じクラス」

「で、で?つきあってるの?」

このテンション、完全に休み時間のおしゃべりタイム。

「まだ。・・言われただけ」

「きゃー、モテるじゃん、ハナ」

子供みたいな奇声が耳につんと響く。

「で、どんな子なのー?」

更に上がったテンションと共に声のボリュームも上がっていく。
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