ケイカ -桂花-
「勝った」に似た優越感
学校で意識してしまうのは、意外にも、宮崎ではなく自分自身だった。

宮崎が私の事を見ているんじゃないかとか、返事を聞きに来るんじゃないか、とか思うと気が抜けない。

昨日の今日でそれはないと分かってるけど、どうもダメだ。

まだ午前中なのにもう疲れてるし。

同じクラス内でつきあってる人とかって、いつもこんなんなのー?

1週間そんな調子だった。

あれ以来、宮崎とは話していない。

なぜこの時代に?って思うけれど、携帯番号もメールも交換していない。

だから、本当に接触ゼロ。

待ってる、って言われてるし、私から言いに行くしかない。

もちろん答えは「YES」だ。

さりげなく放課後に残ってみたけれど、宮崎がいる事はなかった。

答えは「YES」なのにー。
< 84 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop