ケイカ -桂花-
「セイちゃんと?」
瞬時にケイの顔つきが変わった。
目が一回り大きくなって、肌にツヤが出て、表情が柔らかくなる。
目に見えて女度が一段上がってる。
恋をするとキレイになるってよく聞くけど、これがそのからくりの1つなんじゃないか、と思う。
「そうねぇ・・。出会ったのは、花屋さん」
オヤジが花屋って超似合わない、だけど口には出さない。
それはヤボってもんでしょ。
「まだ私がこの店持つ前、フリーの頃。髪に生花を使うのが流行ってて買いに行ったの」
「そこで会ったんだ?」
「そう。すごくきれいなバラがあってね、うっとりするくらい完璧な。だけど高くてさ、私も貧乏だったし。
悩んだ挙句、安い方のバラにしたの。それで花屋を出たら、セイちゃんが高い方のバラ持って立ってた」
「へぇー、あのオヤジがねぇー」
「そうよー。多分全部買い占めたくらいの大きな花束で、目の前に出された時はホントにむせかえる様な濃厚な匂いだった。今でもはっきり思い出せるわ」
笑っちゃうくらい幸せな顔だった。
瞬時にケイの顔つきが変わった。
目が一回り大きくなって、肌にツヤが出て、表情が柔らかくなる。
目に見えて女度が一段上がってる。
恋をするとキレイになるってよく聞くけど、これがそのからくりの1つなんじゃないか、と思う。
「そうねぇ・・。出会ったのは、花屋さん」
オヤジが花屋って超似合わない、だけど口には出さない。
それはヤボってもんでしょ。
「まだ私がこの店持つ前、フリーの頃。髪に生花を使うのが流行ってて買いに行ったの」
「そこで会ったんだ?」
「そう。すごくきれいなバラがあってね、うっとりするくらい完璧な。だけど高くてさ、私も貧乏だったし。
悩んだ挙句、安い方のバラにしたの。それで花屋を出たら、セイちゃんが高い方のバラ持って立ってた」
「へぇー、あのオヤジがねぇー」
「そうよー。多分全部買い占めたくらいの大きな花束で、目の前に出された時はホントにむせかえる様な濃厚な匂いだった。今でもはっきり思い出せるわ」
笑っちゃうくらい幸せな顔だった。