【完】ひまわりと太陽。

「私の家にお母さんいないでしょ?」



「うん・・・」



「お母さん、私が6歳の時に蒸発したの。多分だけど男の人と・・・」



私のその言葉に太陽君は私の目を見た



「今ドコで何やってるか何て分からないの・・・生きてるかさえも・・・」



あれから10年近くたった今も会っていない



私とお父さんを捨ててどこかへ行ってしまったきり



「葵・・・」



太陽君は私の手取り力強く握り締めた



「顔、覚えてないの・・・いつも笑ってて元気な人だったと思うんだけど・・・私とは真逆だね」



ポロポロと涙が出る



最初は全然分からなかった



何でいないのか。



よくお父さんに聞いてたの



“お母さんはドコ?”



そう聞くたびに悲しい顔をするから



それが悲しくて私は聞かなくなった



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