悲しみの狂想曲
急なことに驚いたのもつかの間、姉は窓のある方向へと手を伸ばした。
「……、………ご……」
また何かを呟いていたが、何を言っているのか、聞き取れなかった。
「…おねーちゃ…」
言いかけた瞬間、
ドサッ…
立っていた姉が、倒れた。
「!!おねーちゃん!?
……ぇ……っ?」
驚いた。
さっきまで普通に立っていた姉が、倒れたから。
でも、
それよりもっと驚いたのは、
空中に、
倒れているはずの姉と、
その姉の手を握っている
私がいたこと。