キミのトナリ
「食べたいでしょ―?」
ってママが陽菜の前にケーキを出して
ふふんっと笑う
「…べ、別に」
「陽菜
ママと一緒で
嘘つくの下手だから
分かるの♪」
ってママはまたにやりと笑う
どうなの?
ってママは陽菜の目をじっと見る
陽菜はそろ―っと
ママから目をそらす
ママはもう一歩近づいてくる
「…食べる」
ママに負けて頷く
うぅ
ちょっと悔しい
「ほらね」
とママは得意げに笑うと
ケーキを切って
お皿に載せてクリームものせる
「我ながらおいしそう♪」
ってママは机に
2つケーキを並べる
陽菜はママの前に座って
ケーキを食べる
「おいしい―♪」
陽菜が言うと
ママは「でしょ?」と笑う
あ
…そう言えばさっき
アイス食べたばっかだった
まぁいいか!!
だって夏だし♪
陽菜は自分にそんな
言い訳をして
食べてばっかりの陽菜を
肯定する
「まだたくさんあるから
明日も明後日も食べれるよ~♪」
ってママは言う
「やったぁ♪」
楽しみがまた一個増えた
これで明日も明後日も
暇を乗り越えられる―っ
「ママバカとか思って
ごめんね」
「ママバカって
思ってたの?」
あ、
口が滑った
「まぁいいや!
明後日同窓会楽しみだなぁ♪」
ってママはご機嫌で言う
ん?
ママ今何て?
「あ
口滑った」
ってママは笑う
…ほんと陽菜とママ似た者同士だなぁ