キミのトナリ




「もう


みぃ―なバカにしてるでしょ?!」




ううんとみぃ―なは
首を横にふる






陽菜がむぅと拗ねていると





後ろから
肩を叩かれて振り向く





「取り込み中ごめん



ちょっと向こうで
2人で話さない?」
って爽やかにその人は笑う






周りにキラキラが見えそうな
眩しい爽やかスマイルに





みぃ―なは笑うのを
ピタリとやめて




「ちょっと!」
と小声で言って陽菜を引っ張る






「王子じゃん!!」




…王子?



陽菜は記憶を巻き戻す





さっきの爽やか笑顔と
中学の時に見た爽やか笑顔が
一致する




「林孝宏!!!」

陽菜はピンときて
思わず声をあげる







「ひぃ―な!!

声でかいよ!!」
って拳骨で頭を小突かれる




うぅ


みぃ―な痛いよ…




王子こと
林 孝宏




おそらくうちのクラスで
一番モテてたであろう人




秀才で

スポーツ万能





爽やかスマイルが
チャームポイントの


うちの中学の王子様だ



「うわぁ
なんか王子


またイケメンになったね」
って聞こえないように小さな声で
みぃ―なに言うと



みぃ―なはうんうんと頷いて
聞こえないように小さな声で言う



「ていうか梨花が
ものすごい形相で見てくるのだけど」


「そいえば梨花って
王子ファンだったよね」



「そいえば
梨花会長とかじゃなかった?」




陽菜とみぃ―なの
中々終わらないこしょこしょ話に




王子はちょっと困ったように
話しかける





「えっと…

大丈夫?」




…あ


忘れてた



陽菜が大丈夫と答える代わりに



みぃ―なが答える
「大丈夫

ごめんねひぃ―なを独占して」
とにっこり笑う




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