キミのトナリ


















僕は真山先輩を追いかける




「…真山先輩!!!!」








真山先輩は僕の声に振り向く








「隆太!?」

真山先輩は僕を見て
驚いた顔をしている









そりゃそうだろう






随分と長い間
険悪な仲だったんだから










「先輩

話したい事があるんです」







「話したい事?



俺とはもう話す事は
何にもないんじゃないっけ?」





「そんな事言いましたっけ?」




「うん




許すつもりもないって言われた」





「あ―




言ったかも知れないです」




「なんだそれ」
って真山先輩は苦笑する







「…ずっと先輩の事
憧れてました







でもずっとずっと
憎んでたし
恨んでたし
嫉妬もしてました







もうずっとずっと前から」




「ずっと前って?」





「事故の前から」





「まあ、なんとなく
知ってたけど






昔さ、俺が陽菜の
病室に行った時






お前に言われたの
今でもさずっと頭から
消えないんだよ







“もう二度と陽菜に会うな
もう陽菜を傷つけるな”
って







お前何様だよ!
って思ったよ



浮気した分際の
俺に言える事じゃないんだけど」




…確かに







「お前陽菜のなんなんだよ!


って言おうと思ったら



俺は陽菜の何なんだろう



って思って言えなかった」



「…彼氏じゃないすか」




「いや




そうなんだけど


もう俺は陽菜の近くに
いちゃだめなんじゃないかなって」






僕と同じ事を先輩も
思ってたんだ…











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