キミのトナリ
2016*07*02
2010*07*02
*ryutaside
だんだんあたたかい季節
になってきた
今日は特に天気が良くて
あたたかい
まぶしい日差しが
窓から入り込んでくる
「まだ―?」
扉の向こう側から
若干イライラした陽菜の声が
聞こえる
「もうちょっと」
と僕が答えると
陽菜は
「その“もうちょっと”が
長いんだよね」
と文句をもらす
…文句より僕の悪口か
陽菜の言葉に
ヘア―メイクさんも
「ごめんなさい
私遅くて」
と申し訳なさそうに謝る
「いえ
大丈夫です
ゆっくりじっくり
やって下さい」
僕はにっこりと笑って
ヘア―メイクさんに言う
そしたらヘア―メイクさんも
ほっとした微笑みを浮かべる
僕の髪の毛最後の仕上げをしながら
「とっても仲が
宜しいのですね」
と僕に話しかける
こうやって話しながら
出来るのは
やっぱりさすがプロだな
と感心してしまう
「仲はいいですよ
多分」
「多分じゃないでしょ!」
とまた扉の向こう側から
陽菜の声が聞こえて
笑ってしまう
「ケンカもされたり
するんですか?」
「今まさに
してるじゃないですか」
と僕が返すと
「ケンカするほど
仲がよろしいのですね」
と微笑ましそうに笑う
「はい、終わりました」
とヘアメイクさんが
僕の肩をぽんとたたく
ヘアメイクさんはちらりと
扉の方を見て
早く行って上げて下さいと
合図をする
「ありがとうございます」
と軽く頭を下げて
陽菜が待ってる方へ
駆け足で行く