キミのトナリ

2010*07*27





2010*07*27
*hinaside

真山という人を見た
あの日から毎日同じ夢をみる




陽菜は暗い暗い
先の見えない穴に落ちていく




誰かが「ごめん」
と謝りながら手をのばす





陽菜はその手をつかもうとするけど

つかめなくて


どんどん暗い所へ落ちていく

夢はいつもここで終わる



夢を見た後は


怖くなって
悲しくなって





隆太に会いたくなる



隆太の“大丈夫だよ”
っていう声が聞きたくなる



「…」



それなのにさっきから隆太は
何も喋らない






陽菜が余計な事を
言ったせいだと思う





「隆太?」




名前を呼んでも
一瞬勉強してた手を止めて
少し顔をあげるだけで
何も言わない




だんだん不安になってきて俯く





「…泣くなよ」




隆太がやっと言葉を
発する




私は隆太のその言葉に
自分の目に涙が溜まってる
事に気付く




「ごめん」




隆太は一言そう言うと
私の目を自分の手で拭ってくれる






「…陽菜もごめんなさい」




「いや




陽菜は何も悪くないよ



俺がちょっと意地張った
っていうか



なんていうか



ただ、無視してたとか
そう言う訳では無いから」



私は良かったと心の中で
呟いて大きく頷く









隆太はいつも
陽菜が過去の事を
思い出そうとする事を



嫌がる







すごい前に


一度だけ聞いた事がある






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