キミのトナリ


「陽菜は




昔の事知りたいの?」




隆太はあの時と
同じ顔で陽菜に言う






陽菜は少しためらいがちになずく



「…ちゃんと聞くから
話していいよ」

と隆太が陽菜に言う



陽菜はその言葉に安心して
こないだの事を隆太に話す


「わかんないけど



こないだね



人を見て
なんでか懐かしいと思ったの

見た事ないはずなんだけど


なんかその人
知ってる気がして」







そう答えると
隆太は少し焦った表情に変わる




「人?


人ってどんな人?」







私はまた少し戸惑いながら
答える




「…背が高くて黒髪で



あ、真山さんって
いう人」





隆太は一瞬驚ろいたような
表情を
したような気がするけど





すぐに冷静な表情で



「何かの勘違いじゃないかな?」と笑う




「それにあんまり無理に
思い出そうとしない方がいいよ」
と隆太は付け加える




「…うん」





そう言われても
いまいち納得しきれない



隆太はちゃんと
陽菜の話しを聞くと言ったのに




避けようとしている
気がする





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