キミのトナリ
「陽―菜
早く帰るよ」
日が長くなってはきたものの
あんまり話してると
最終下校時刻が過ぎてしまう
「うん!」
陽菜は立ち上がると
差し出した僕の手をギュッと握る
出会ってから
2年たった今もキミが
そばにいる事が
僕にとってどれだけ
嬉しい事で
幸せな事かキミには分かる…?
そう心の中で言ってみても
君には届くはずもなくて
答えが返ってくるはずもなくて
キミは僕の方に顔を向けずに
前を向いたまま
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