キミのトナリ






私はどうしたらいいか
分からないまま







考え込んで
やっぱり今はこの場から
いなくなろうと判断して





速やかに
ここを立ち去ろうとする








「ひ…陽菜!」






私は腕をつかまれ
振り向く







目の前には私がこの場を
去ろうとするのを見て慌てて
走ってきたのか


はぁ…はぁ…

と息を切らしている

あの人がいて



驚きと戸惑いとで
もう何が何だか分からなくなる







額には汗が流れてて


必死な顔をしている








でもなんだか思いつめたような




表情にも見える





何でだろう





陽菜と呼ばれた事に
違和感がない




“ある人"は胸を押さえて
もう一度息を整えると





「…陽菜」





と陽菜の名前を呼ぶ





「…分かんないよね」






と苦笑に近い
少し寂しそうな表情で笑う





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