キミのトナリ
私は彼を覚えてる訳ではないし
かといって存在を
全く知らない訳ではないから
更にどうしたら
いいかわからなくなって
戸惑う
「急に
知らない人に腕つかまれて
びっくりしてるよね
驚かしてごめんね」
陽菜は横に首を振る
「…隆太は?」
思いがけず隆太の名前が出て
私は
「えっと…」と言葉につまる
あたふたしている陽菜を見て
今まで必死な顔をしていた彼は
ふわっと優しい表情で笑う
何だかその笑顔は
陽菜に落ち着きを与えてくれる