キミのトナリ









対戦相手にはあの人がいる







その人が隆太と戦っている事に
少し違和感があったけど





あの人がバスケをしている姿は
見た事がある気がした








でもそんな事は今はよくって





試合が終わる最後まで
陽菜はずっと隆太を見ていた









結果は対戦相手が勝った



隆太はきっと泣いているだろうと



隆太を探しに外へ出る









隆太は人のいない会場の裏で
涙をこらえた顔をしていた







陽菜はすぐに隆太に
声をかけようとかけよる










でもその前に
陽菜は“あの人”にひきとめられる








「…よかった


間に合って」




彼は私の前に立つ
せの高い彼に隠れて
隆太が見てなくなる






「…あの」





私は隆太の話を先に聞きに
いってもいいか聞こうとして


開きかけた口を
突然にふさがれる








その瞬間に頭の中に
色んな映像が映る






突然のフラッシュバックに
私は頭がついていけなくなる





今まで私の忘れていた
記憶が一気に思い出されていく




途切れ途切れだった映像が綺麗につながっていく





事故の前の事



事故の後の事





どうして事故が起こったのかも








彼がいったい誰なのかも












「圭…」












そうだ







彼の名前は真山 圭










私の大好きだった人










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