キミのトナリ





「圭




陽菜ねずっと怖かったの





圭は陽菜の事なんて
全く好きじゃないんじゃないかって






だからあの日





圭の話もまともに聞けなくて



目を見る事すら出来なくて



陽菜ばっかりが
圭の事好きなんだって
勝手に思ってた






陽菜の事ちゃんと
思っててくれたのに




見ててくれたのに






ちゃんと圭の事見てて
あげれなくて




ちゃんと向き合えなくて
ごめんね」



前は言えなかった


ちゃんと圭が陽菜を好きか不安で
圭が“好きだよ”
と言ってくれるのを待つばかりで




陽菜が愛される事を
望むばかりで






今ならちゃんと言える
そう思った







「ちゃんと言ってあげられなくて








ごめんね




陽菜も圭の事
大好きだったよ」





圭は笑う




苦しそうな笑顔じゃなくて
もっと心からの笑顔







「ありがとう」




圭はそう言ってまた笑う




「でも陽菜はもう
俺じゃなくて





違う人を見てる






…まだ諦める事なんて
到底できないかもしれないけど






陽菜には陽菜の今があるし




あの時分かったから」





「何が分かったの…?」






圭にそう聞くしっかりとはっきり答える







「一番大切な人と
一番一緒にいたい時に




隣にいないといけないって事」





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