キミのトナリ





…やっぱり圭に聞いた方が







そう思った時ケータイが鳴る






佐竹さんからだ





もしかしたら居場所が
分かったのかも






なんて淡い期待を抱いて
ふぅ―
と一度深呼吸してから電話に出る







「はい!陽菜です!」








「分かってるわよ!





あんた今日診察の日でしょう!」





期待外れな言に
私は少しほっとして





ものすごく残念な気持ちになる






「あんた今までずっと
家にこもって



うんたらうんたら
考えてたんじゃないでしょうね」




図星すぎてさらに
何も言えなくなる





…昨日、
明日は診察の日だよ
忘れないでね




って言ってくれたら
忘れないで行ってたのに






頭の中で言い訳をする





「言っとくけど!



昨日私はちゃんと
言おうとしたからね



アルバムとか写真に
載ってるんじゃない


って言った後!




私が言う前にあんたが
ありがとうございました
とかなんとかいって




ふらふら帰ってったんだからね!」






「…すいません」




陽菜が力なく謝ると
佐竹さんはまた更に
大きな声で言う








「とりあえず






早く病院来なさい!!





話しはちゃんと後で
しっかりたっぷり
聞いたげるから!!!!」




それは心強い


陽菜は佐竹さんの言葉に
少し安心すると





忙いで支度して病院に向かう



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