キミのトナリ




「圭は…


その彼の名前圭っていうんだけど




1つ上でかっこよくて
バスケが上手くて人気ものだった






だから陽菜にとって
自慢の彼氏だったの




浮気してたのは何となく
気付いてたけど知らないふりしてた






別れるのは嫌だし



浮気されるのは陽菜が
子供だから仕方ないって思ってた







それでも陽菜の事




“好きだよ”って圭は

言ってくれたから





嘘でも嬉しかった






子供なりにすごい
必死に恋してたの









でもある雨の日
傘を届けに圭の高校まで
行ったの



しばらく校門で
待ってたんだけど


なかなか来なくて



圭の友達にたまたまあったから
どこに行るか知ってる?
って聞いたら



ちょっと気まずそうに
多分まだ教室にいるよって
教えてくれて




ちょっとためらったんだけど
ほとんどの人がすでに
下校してて
教室まで行こうと
階段を上がっていって



教室までついて
ドアを開けたら






圭が知らない綺麗な女の人と
キスしてた





なんかどうしたらいいか
分からなくなって
ひきかえそうとしたの






そしたら足が滑って階段から落ちて…




圭は陽菜を
追いかけてきて手を伸ばしたけど
だめで陽菜は頭をうって



病院にはこばれた



間抜けな話しだよね」





陽菜は思い出した記憶を
話し終えて





ふぅとまた一息つく






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