キミのトナリ








「…何のために?」







と陽菜が聞くとまた
みっちゃんはう~んと
腕を組んで考えこむ


みっちゃんは突然に
ひらめいたのかぴんっと
右手の人差し指を立てる







「…陽菜が記憶を
思い出すと都合の悪い人とか?





陽菜に記憶を思い出す
のが嫌な人とか?」





「そんな人…」








いないといいかけて
思いつく









陽菜が記憶を思い出すのを
ずっと嫌がってた人







そんなのたった1人しかいない







「…もしかしたら





隆太かもしれない」






「あ!




そっか!!!」





とまた何かをひらめいたのか
みっちゃんは1人で納得して頷く







「そっかって…?」









「ねぇ





陽菜ってその圭って
いう人とさ






事故で記憶なくしてから
しばらくあってなかったんだよね」




「昨日会ったけど…?」







「じゃあ



昨日までは走り去って足が滑って
階段から落ちてからは



会ってなかった






その時ちゃんと
話しあったり別れたり
しないままで






記憶をなくしてたから
その人とは実質的に
付き合ったままだった」





「うん



まぁそういう事になるかな」





と陽菜が言うと





やっぱりとみっちゃんは
また納得した顔をする




「それが

な、なんですか?」





陽菜はなんか怖くなって
恐る恐る聞く




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