キミのトナリ




今ここにいる自分を
何よりも大事にしてあげなきゃ






信じてあげなきゃ








「…みっちゃん





陽菜、これから隆太に
会いにいく







どこにいるか分からないけど








今、隆太にものすごく
会いたいから」






そう言うとみっちゃん
はまたやっぱりという顔をする






「みっちゃん話し
聞いてくれてありがとう






行ってきます」






と陽菜は振り向いて
踏み出した足を止める







「圭!!」





「え?!

あの子?!?」






とみっちゃんは
陽菜の後ろから顔を覗かせる








陽菜を見つけると
圭はかけよってくる








「良かった…







実はさっき隆太に
会ったんだけど




陽菜は隆太を
探してるんじゃないかな







と思って来た」



「よく分かってるね」






と陽菜は笑う






「隆太さ




多分ものすごく不安
なんだよ



陽菜がいなくなるのが






陽菜が隆太の隣から
いなくなる訳ないのにね」




と圭が言う




「自信がないんだよ



隆太には」




「…自信?」



「そう自分は陽菜の
隣にいていいんだっていう自信」





「いていいに
決まってるのに」





「…陽菜自身の口で
伝えてあげたら





自信がでるんじゃないかなぁ






…隆太は中学校にいるよ」




「…中学校?」



「そう俺が通ってる
高校の付属中学校」




「……?」


陽菜はまた
首を傾げる


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