キミのトナリ

「そう俺が通ってる
高校の付属中学校」




「……?」



「そっか

陽菜は覚えてないかもね




陽菜が中3の時
よくうちの高校に来てただろ?」




うんと陽菜は頷く




「そこに隆太もいたんだよ


あんまり関わりは
無かったから言われても

分かんないかもしれないけど




俺の高校は中学と
一貫で部活やってたから」

やっと陽菜は圭の
言ってる事を理解する



「え!


圭と隆太って先輩後輩
だったて事?!」





うわぁ…



あんまり想像がつかない








「そういう事」
と圭は頷く











「それじゃあ

俺はもう行くね」




と圭は陽菜に背を向けて
歩きだす









「圭!」







と陽菜が呼ぶと
圭は振り向いて笑う




「何?」





「わざわざ
伝えにきてくれて
ありがとう」





「どういたしまして」







圭が角を曲がって
見えなくなると




今まで静かに黙ってた
みっちゃんが


ポツリと言う







「ありゃ不安にもなって




自信もなくすは」





「おばちゃんも
惚れそうになったもん



陽菜もったいない事したね」




とみっちゃんが
興奮ぎみに言う


…確かに



圭はおばちゃんうけも
しそうなタイプだけど




じゃなくて


「みっちゃん


ほんとにほんとに
今度こそ行ってきます!」



「行ってらっしゃい!」

とみっちゃんが
敬礼のポーズをする




陽菜は走りだす



途中で槙田さんが
「病院で走らない!」
と叫んでるのが聞こえたけど




そんなのおかまいなし
にただひたすら走る



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