キミのトナリ








「…長い間待たせて
ごめんね」





隆太は笑う







その笑顔と
少し幼かった頃の
隆太の笑顔が重なる









「…ずっとずっと
陽菜に話しかけられる
前から好きだった






だから話しかけられて
内心ものすごく嬉しかった





クールぶってたけど
ほんとはものすごくドキドキも
してたし」






「あれで?



隆太はいつも分かりにくいよ」





「うん



そうかもね」



と隆太はまた笑う






その笑顔に
何度助けられてきただろう











「…好き」







陽菜の口からでた
ずっと言いたかった二文字の言葉







「知ってるよ」
と隆太は言う





続けて隆太は言う
「知ってたけど




その好きは


真山先輩と自分を
重ねてる“好き”なんじゃないか




ってずっと不安だった





俺はずっとずっと
真山先輩を追いかけてきた



真山先輩みたいに
バスケも上手くなりたかったし



男としてもかっこよくて


でも人に優しい人で
おまけに頭も良くて




真山先輩みたいな人に
なりたかった







陽菜の事も


一緒で



羨ましかった





前ここで話した時も
言ったけど





陽菜の事可愛いって
言ってた人沢山いたんだよ




僕だってずっと思ってたし
好きだとも思ったけど





真山先輩の彼女だし



陽菜がここにくるたびに
遠くから見てるだけで
十分だと思ってた







でも一度だけ壊したい
と思った事もあった





陽菜が僕に話しかけて
きた時」



陽菜は首を傾げる



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