キミのトナリ




「陽菜がここを出るときに







陽菜を呼び止めた時」


陽菜は

“いや、なんでも”
と言った隆太を思い出す







あの時隆太は何を
言おうとしてたの…?





「真山先輩が浮気してんの
知ってたんだ






だからそれを
教えようと思った




多分それを知ってたのは
僕と真山先輩の親しい友達
ぐらいだと思う」




「どうして陽菜に
教えなかったの?





教えたら可哀想だと思ったの?」




「思い込み激しくて
自分の頭の中で暴走しちゃうとこ
変わんないね」






と隆太は笑う


陽菜はちょっとムッとして
隆太を見る





「違うよ



怖かったんだよ



あの日話した時に

陽菜はある程度
もう知ってるんだなって
分かったし


不安に思ってる事も分かったし








でも知ってたから



ずっと陽菜を見てたから
陽菜がどれだけ
真山先輩を好きで



どれだけ必死に
真山先輩に自分の事を
好きになってもらおうとしてたかも






全部」






自分でももう分かってた事だけど

隆太にそう言われると
そんなに見られてたのか


とちょっと赤面してしまう







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