キミのトナリ




「あの時自慢の彼氏



って言う陽菜の笑顔みたら
もっと言えなかった






自分の好きな人が
今まで積み上げて来たものを







僕のたった一言で
壊しちゃいけないと思ったし




壊せないと思った








でも陽菜が救急車で
運ばれるのを見て







すごく後悔した





あの時なんで
言わなかったんだろうって


俺が言ってたら
陽菜はこんな事に
ならなかったかもしれないのにって」







陽菜は首を横に振る





「違うよ


隆太は何も悪くないよ






陽菜があの時
ちゃんと話し合おうと
しなかったから






自分では全然大丈夫だと思ってたの





でも実際にみたら




すごくショックで






自分で思ってたより
傷ついてたみたい





自分でも全然気付いてなかったの






でも“陽菜は全然平気だよ”
ってずっと無理してたみたい







圭の浮気を見てやっと
自分で気付けた



だから隆太のせいじゃない」









陽菜がそう言って笑うと
隆太も笑う





「…ありがとう」








隆太にそう言われると


やっぱり陽菜の場所は
ここだったんだ…


と思う





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