十五の妄影(もうえい)
冷蔵庫の中からペットボトルのコーヒーを出し、グラスに注ぐ。

コーヒーミルクを加え、かき混ぜながらまずはテレビのスイッチを。

いつもはテレビは只のBGM代わりだ。

興味のある話題や番組の時だけ目を向ける程度。

シンと静まり返った部屋というのがあまり好きではないので、こうしている。

コーヒーを飲みながら、さて、今朝の朝食は何にしようかなと思案している時、その声が耳に入った。

「それでは中継を呼んでみましょう。現場の、大崎さん?」

「はい、こちら現場の日向市立日向高校です」

テレビから流れるリポーターの女性の声。

思わず振り向くと、画面にはライブ映像が流れていた。

これ…日向市じゃない!

しかも日向高校っていったら、晋作君の通ってる学校…。

手を止め、テレビに釘付けになった。

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