十五の妄影(もうえい)
その後は、同じ事の繰り返しだった。

どんなに銃を撃っても僕と妄影には通用せず、特殊作戦群は何の抵抗も出来なくなった。

そんな彼らを、妄影は飲み込む。

逃げる隊員達を、糸状の触手と化した妄影が絡めとり、ぽっかりと口を開けた闇の中へと放り込む。

次々と。

誰一人残す事なく。

恐らくはこの国で一番強い彼らでさえ、妄影の前では何の反抗も出来なかった。

中には悲鳴すら上げる者もいた。

…やがて阿鼻叫喚の末、校庭には僕一人だけとなる。

自衛隊特殊作戦群も全滅。

僕には誰も敵わなかった。

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