十五の妄影(もうえい)
妄影の姿が完全に消え去る頃。

誰もいなかった校庭に、沢山の人間達が倒れていた。

妄影が飲み込んでしまった犠牲者達。

僕の心の闇を垣間見る事になってしまった人達。

衰弱は激しい。

意識も失っている。

だけど、呼吸している。

心臓はしっかりと鼓動を繰り返す。

悪い夢を見ていただけ。

きっとみんな、また目を開けてくれる事だろう。

その悪夢をどう受け取るのかは、彼ら次第だけど。




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