十五の妄影(もうえい)
食事を終えても、教室にはなるべくギリギリに戻る。

早い時間に教室に戻ると、昨日のように男子生徒に囲まれる。

彼らのその時の気分次第だけど、大抵はそうだ。

…彼らにとって、僕をいじめる理由はもうあまり明確じゃない。

クラスメイトの喫煙を密告した。

その当初の理由…濡れ衣だけど…それを覚えている奴が、一体何人いるんだろう。

ストレス解消。

憂さ晴らし。

習慣。

同じようにしないと自分も巻き込まれる。

殆どの生徒は、そんな理由で僕に辛辣な態度をとっているんだと思う。

十五歳という年齢。

大人のモラルがなく、子供の無邪気さを残している。

この年齢は、ある意味人間の一生の中で、一番残酷なのかもしれない。

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