十五の妄影(もうえい)
経緯は入学して一週間めに遡る。

偶然上がった放課後の校舎屋上。

僕はそこで、クラスメイトの男子数人が喫煙していたのを目撃する。

当然校則違反…いや、法律でも禁じられている行為だ。

が、僕だってそんなに優等生な訳じゃない。

たまには校則違反の一つもする。

品行方正って訳じゃない。

十五歳っていったら、タバコや酒やバイクなんかに興味が出てくる年頃だ。

同じ十五歳として、そんな事くらい理解できていた。

特に彼らを咎めるでもなく、僕は屋上を降りる。

…しかし、問題は翌日に起きた。

< 4 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop