十五の妄影(もうえい)
喫煙していたクラスメイトが生徒指導室に呼ばれ、停学を申し渡される。

喫煙行為を密告した生徒がいたらしい。

…彼の仲間はすぐに僕を疑った。

勿論僕じゃない。

が、そんな弁解は通る筈もなく。

その日から『クラスメイトを売ったチクリ野郎』として、僕への風当たりは強くなった。

誰も口を利いてくれない。

会話に参加できない。

移動教室も、登下校も、昼食も、体育の授業の時の柔軟運動も、誰も僕に声をかけてこない。

謂れのない罪。

冤罪。

僕は以来孤立し、裏切り者のレッテルを貼られて学校生活を送っていた。

< 5 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop