十五の妄影(もうえい)
「あら…そうなの?」

釈然としないながらも、確たる証拠もなく責める訳にはいかない。

教室を出て行く担任。

彼女が去った後で。

「あう!」

僕は壁に突き飛ばされる。

再び僕を取り囲むクラスメイト達。

その視線に、脅えた。

忌み嫌われる、という言葉の意味を、僕は身を以って体験していた。

…その光景を見て失笑する女子の声。

誰も助けてくれない。

僕はこの四角い箱の中で、弱肉強食の最底辺に位置する存在だった…。

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