『舞桜』
「お前、生徒会役員に近寄ってどうする気だ?
金でもせがもうとでも?
貧乏は大変だな、金集めに忙しい。」
そう言われたのは、香と話そうと思って口を開こうとしたときだった。
「志賀くん…!」
朝の桜花の様子からそうでないと分かっているのだろう。
香が反論しようとする。
でも、それは逆効果。
雫の怒りが増すだけだ。
昨日の皿投げつけ事件がよほど屈辱的だったのだろう。
まるで敵でも見てるかのように睨み付けてくる。
実際敵と認識されているのだと思うけど。