Je t'aime?
「こっちの人は?」
私はとくに深い意味もなく、ただ自然な流れで聞いてみただけだった。
だけどウジェーヌは、私の人差し指の下の写真をさっとパスケースにしまって、
「ともだち」
と伏し目がちに短く言った。
慌てているように見えた。
もしかして―
「…恋人?」
私は、いつもの紗江子みたいに、横目で冷やかすように言った。
「ちがうよ、レイナ。ともだち」
思いのほか真剣な眼差しで私を見て、ウジェーヌはきっぱりと否定した。
これは…逆にあやしい。
イタズラ心に、もっと冷やかしてみようかな、と思った。
でも―
でもその一方で、もうその話はしたくない、と思う自分もいた。
…なんだろう、この感じ。
私の目をまっすぐに見て、ただの友達だと強調するウジェーヌ。
その言葉に、なんだか救われているような気がした。
これじゃあ、まるで…―