Je t'aime?
「…はい」
『怜奈…?』
「うん」
『今、家?』
「そう」
お互いに探り合っているような、そんなトーンだった。
『…大丈夫?』
「うん、ごめんね」
『ふふ、なんで謝るの』
紗江子が電話の向こうで、ちょっと笑った。
「たくさん泣いて迷惑かけたし…」
『いいって、そんなの。私のほうこそ、冷たいこと言ってごめんね』
「そんなの…そんなの当たり前だし」
『祐太さんに電話してみた?』
「…まだ。仕事中だし」
『そっか、そうだね』