Je t'aime?



「…はい」



『怜奈…?』



「うん」



『今、家?』



「そう」



お互いに探り合っているような、そんなトーンだった。



『…大丈夫?』



「うん、ごめんね」



『ふふ、なんで謝るの』



紗江子が電話の向こうで、ちょっと笑った。



「たくさん泣いて迷惑かけたし…」



『いいって、そんなの。私のほうこそ、冷たいこと言ってごめんね』



「そんなの…そんなの当たり前だし」



『祐太さんに電話してみた?』



「…まだ。仕事中だし」



『そっか、そうだね』




< 126 / 254 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop