Je t'aime?
下駄箱で靴をはきかえて、門へ歩く。
予定では、祐太が車で迎えに来ているはずだけど…。
歩きながらケータイを開いてみたけど、着信もメールもない。
だけど、門から出てすぐに、祐太の車を発見した。
運転席の彼は、ケータイをいじっていて、私には気づいていないようだ。
助手席のドアに手を伸ばしたとき、もう片方の手に持ったケータイのバイブが震えた。
祐太からのメールだった。
私は、祐太に見つからないように少し下がって、メールを見た。
【校門の外にいます】
思わずクスッと笑って、私はケータイを閉じて、ドアを開けた。
「うおっ!早っ」
「ロックしておかないと、不審者が乗り込んできちゃうよ」
シートベルトを締めて、まるで親のように言った。
でも祐太は、そんなことに耳も貸さず、ちょっと前のめりになって助手席の窓の外を見ている。
なにかを探しているようだった。
「どうしたの?」