Je t'aime?
すると祐太は、おもむろに、
「あれ、ひとり?」
と聞いてきた。
「ひとりだよ。どうして?」
すると祐太は、小さく舌打ちをした。
「ウジェーヌとやらの顔を拝んでやろうと思ったのに」
「とやら、って失礼な。そんなに敵視しないでよ」
「はぁ?完全なライバルなんですけど」
ラ、ライバル?!
「浮気なんてしてないって、何度も言ってるでしょ」
「でも俺との約束を忘れるくらい、気になってるんだろ」
「それは…学校で会うのは今日が最後だったから、つい…」
「わかったわかった。ま、とにかく行きますか」
私がたどたどしい言い訳をするのを遮って、祐太が車のエンジンをかけた。