Je t'aime?




そんなことがあって、今日、私たちは予定通りのデートを楽しむことになったというわけ。



祐太には内緒だけど、今でも心の片隅には、ウジェーヌのお別れ会にも行きたかったという気持ちがウロウロしている。



でも一方で、これ以上祐太を困らせたくないという気持ちも、同じくらい。



だったら、紗江子と電話で話したときの決心を優先させなくては、と思った。



「ねえ、祐太」



私は、映画館に向かって車を走らせる祐太に話しかけた。



「ん~?」



「ほんと、ごめんね」



祐太は前を向いたまま、はは、と笑って、



「もういいって」



と言った。



やさしい祐太。



惚れっぽい彼女で、ごめんね。



なるべく早く、ウジェーヌをただの友達と思えるように、がんばるから。



心の中でもう一度謝って、もうこの話題は持ち出さないことにした。




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