Je t'aime?



向かった映画館は、大型商業施設の最上階にある、いわゆるシネコン。



まず見たい映画のチケットを買って、私たちはランチを食べた。



入った店はハンバーグがウリの店で、同じ年代くらいの人で混んでいた。



それでも並ばずに案内されると、私はオニオンソースがかかっているハンバーグに目玉焼きのトッピングを追加してオーダーした。



「はぁ~、お腹ペコペコ」



「俺も。朝から食ってねーし」



「ええっ、なんで?!」



「寝てたから」



…たしかに、昨日も電話で話せないくらい、帰りが遅かった。



「疲れてるんだね」



「怜奈も社会人になればわかるよ」



いたわる私に向かって、祐太は意地悪そうにニヤニヤしている。



そんな顔を見たら、社会人になんてなりたくない、と思えてきた。




< 143 / 254 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop